私自身が就職留年・就職浪人を経験していることもあって
「就職留年・就職浪人をしようか迷っています」
という相談を就活生からMatcher経由などで、受けることが多いです。
実際に就職留年を経験した人の記事ってあまり見ないのと、
僕自身も相談を受ける際に、毎回同じ内容を話しているので記事にしておこうと思います。
誤解を生まないように伝えておくと、僕は就職留年をして良かったと思っています。
しかし、この記事で就職留年をおすすめしたいという意図はないです。
あくまでも、1つの経験談として見ていただければと思います。
冒頭は自分語りですので、就職留年のメリットとデメリットだけ見たい方は、下の目次から飛んでいただければと。
Contents
50社ほど全滅して無い内定だった1回目の就職活動
1回目の就職活動は2014年卒として活動していましたが、無い内定でした。
当初は、周りと同じように就活をするのが嫌で「ライター・編集者」を目指していました。
有料のライター養成講座に通って、記事の書き方を学んで実際に記事を書いていました。
しかし、ライターでの就職となると、正社員採用の枠が狭く、契約社員やアルバイトから始める人も多いということに尻込みして、普通の就活に切り替えました。
当時の就活解禁が12月で、僕が切り替えたのがちょうど11月だったと思います。
切り替えたものの、インターンシップも行ったことないですし、OB訪問・企業研究・自己分析など何もしておらず、社会人ともほぼ会ったことがないような状態でした。
とにかく準備しないと、という思いから本屋で、”面接の一問一答”の本を買って読んでいました。
今思えば、本当にどうしようもないバカだなと思いますが、当時は気付きませんでした。
一方、自己評価だけは高く、広告・テレビ・食品などの人気業界だけを受けていて、軸も何もないので、選考で見事に落ちていきました。
「普通の就職はしたくない」という思いはあるものの、実力や行動が伴っていなかった典型的な例だなと思います。
正確にどれくらいの企業を受けたかはわかりませんが、面接は15社ほど受けました。
書類でいうと50社以上は落ちたはずです。割と絶望しました。
斜に構えるのをやめた2回目の就職活動
2回目は卒業を1年延期して、2015年卒として、就職活動をしました。
学生生活が1年延長されるので、遊ぼうと思えば遊べるのですが、この1年を無駄にすると人生が終わるような危機感を持っていました。
この1年で特に意識していたことは、自己理解と企業理解のための情報収集です。
1回目の失敗の原因は、情報量が足りないため等身大の自分を理解できていないことと、企業や仕事に関する理解が欠如していたせいで、トンチンカンになっていることでした。
そこで、プライドを捨ててとにかくアクションすることに徹しました。
1回目は、アクティブに動いている周囲の人を見ると「意識高いな、、」と斜に構えて見てしまっている自分がいました。
しかし、斜に構えているより、とにかく行動した方がいいと思いました。
そして、参加したリンクアンドモチベーション社の長期インターンシップが、人生を変えてくれたような気がします。
リンクアンドモチベーション社のインターンシップは、1回目の就活で出会った友人の就職先ということもあり、おすすめされたのですが、倍率がかなり高かったです。
正確に覚えていませんが、数百倍だったと思います。
友人に選考のポイントを聞いて、準備して挑むと奇跡的に通過し、1ヶ月間の新規事業立案インターンシップに参加できることになりました。
ここで、今まで出会うことのなかった同世代の学生と出会って、自分自身のちっぽけさを理解できたことは本当に大きかったです。
また、他にもリクルート出身の社長の会社で、テレアポのインターンシップを経験したり、
1dayインターンシップは20以上行ったかなと思います。
就活だけではなく、自分で地域のイベントを企画して人を巻き込んだり、サークルも卒業まで真剣にやって見たりと、ダラダラする時間を作らず、充実した時間の使い方ができました。
結果、「自分の会社を作って、世の中の役に立つ事業をゼロから作ってみたい」
とおぼろげながらも、将来のありたい姿に辿り着くことができました。
それを面接で素直に伝えることで、4社内定をもらい悩んだ末に1社目の会社に入社しました。
就職留年・就職浪人のメリットとは?
本題の就職留年のメリットですが、あくまでも僕が感じたメリットです。
全員に当てはまるかはわからないですし、できることなら就職留年はしない方がいいと思っています。
先輩・友人から就活や企業の情報が聞ける
1つ目のメリットは、先輩や友人から就活や企業の情報が聞けることです。
就活は情報戦です。
仕事もそうですが、全員に同じだけの情報が与えられるわけではなく、いかに自分自身で情報をかき集めるかが鍵です。
僕が参加できた長期インターンシップの選考も、友人から選考のポイントを教えてもらったおかげで対策を練ることができて通過しました。
また、既に内定が決まっている友人に、その業界や会社についての話を聞いたり、
時には、内定先の先輩を紹介してもらったりと情報収集の面ではかなり有利でした。
選択肢を広げられる
2つ目は、選択肢が広げられることです。
当然ですが、人より1年間長く就活ができる分、色んな企業・業界を見ることができます。
最初は敬遠していた業界や企業も選りすぐりせず、フラットな視点で足を運んでいました。
企業や業界のことを知らないまま食わず嫌いするのと、実際に足を運んで見て「やっぱり違うな」と感じることは大きく違うと思います。
また、体育会で就活のギリギリまで部活に取り組んでいた方や、海外留学から帰ってきたての方だと、そもそも情報不足であることが多いです。
就職留年すると1年間あるので、そんな情報不足を解消できる可能性は高いと思います。
>>体育会の学生は、アスリートエージェントという特化型のサービスがあるので活用して見てもいいかもしれないです。
ガクチカを作れる
3つ目は、学生時代に力を入れて取り組んだことを作れるということです。
1年間を使って、何かに本気で取り組むという経験ができます。
僕の場合は、自ら立ち上げていたサッカーサークルの運営にさらに力を入れました。
また、学生イベントを企画したりして、大きな目標を掲げて人を巻き込むという経験をしました。
ただアピールすることが目的になることはよくないですが、目標を立てて挑戦することには意義があると思っています。
アルバイトでも、ただ目的もなく取り組んでいる人と、自分なりに目標を立てて、アクションして振り返りながら改善している人とでは、得られる経験が段違いです。
なんでもいいので、1年を無駄にしないように自分なりに目標を立てて、できれば人を巻き込みながらアクションすることをした方がいいんじゃないかと思っています。
就職留年・就職浪人のデメリットとは?
一方で、就職留年のデメリットは結構あります。
もし、就職留年を決意するのであれば、きちんとデメリットも理解した上で
覚悟を持って、意思決定するべきだと思います。
決まらなかったらどうしようと焦る
「この1年で、納得いく就活ができなかったらどうしよう」
という焦りは間違いなくあります。
そして、1年延長したからと行って、成功する保証は無いですし、2年間就活のことを考えることは結構辛いです。
ただ、個人的にはここでかなり精神力は鍛えられたなと思います。
闇の中を手探りで光を探して彷徨う感じになりますので、2年越しの就活が終わった時の開放感は異常でした。
また、周りの友人は内定が決まって、内定までの期間で海外旅行に行ったり、楽しそうに遊んでいる姿をSNSで見ることになります。
時間があるだけに、そこで流されて遊んでしまう可能性があることはデメリットだと思います。
受け入れられない企業もある
2つ目は、受け入れられない企業もあるということです。
堅い業界や企業では、「就職留年 = どこからも欲しがられなかった人材」と捉えられて、選考に進めないこともあると思います。
少しでも興味のある業界・企業があれば、先輩や友人に聞いて見て、就職留年をして入った人がいるかどうかは聞いておいてもいいかもしれないです。
ただ、就職に1度失敗しただけで、「失敗した人だ」とレッテルを貼る企業は、こちらから願い下げだというマインドで挑んでいました。
時間を無駄にしてしまう人もいる
3つ目は、時間があるからこそ、無駄にしてしまう人もいるということです。
何かしないと、という焦りから特に目的もなく留学に行って見る人は結構います。
また、自由が与えられるため、自律することが難しく、ダラダラする人はいました。
面接で「この1年間、何してたの?」は必ず聞かれることになりますし、目的もなくただダラダラ過ごしてしまうと、本格的に面接に通らなくなると思います。
もちろん、直前に面接対策だけをしても、1回目の就職から結果が変わるとは思えません。
就職留年・就職浪人の期間をどう過ごすか?
ここまで、就職留年のメリット・デメリットをご紹介しましたが
すでに留年を決めてしまった方もいると思います。
そんな方に就職留年の期間をどう使うべきか、僕なりに思うことを紹介します。
失敗の原因をきちんと分析する
まず、失敗の原因をきちんと分析することです。
これも表面的な原因ではなく、深掘って考える必要があります。
例えば、僕は失敗の原因を「面接で志望動機を語れなかったから」と思っていました。
しかし、本当にそうなのか?と考えていくうちに、志望動機を語れなかったことが原因だったのではなく
自己理解と仕事理解が不足しているため、”自分自身がどうなりたいかが曖昧だった”ということが失敗の原因だったとわかりました。
そうすると、この1年ですべきことが明確に見えて、
できるだけたくさんの人と会ったり、企業の説明会や社員の方とお会いして、情報を集めることと、周りに相談しながら自己分析を突き詰めることに取り組むことができました。
選択肢を広げること
2つ目は、選択肢を広げることです。
自分自身が知っている企業や業界の範囲は本当に狭いです。
だからこそ、最初から絞りすぎて就活を進めていくのではなく、フラットな視点で選択肢の幅を広げることがおすすめです。
イメージだけで判断するのではなく、きちんと自分の足を運んで話を聞いて見てから、
自分なりの取捨選択の軸を明確にして、絞っていく方がいいかなと思います。
「僕は広告業界1本なんだ!」とかって決して思い込まない方がいいと思います。>>全国各地で行われているマッチングイベント【Meets Company】
素直さはめちゃくちゃ大事
3つ目は、素直さです。
素直さは本当に重要で、なんならこれが全てと言っても過言ではないかもしれないです。
特に失敗を取り繕うのは本当におすすめしないです。
「本当は受かりそうだったんだけどあえて入社しませんでした」と言いたくなってしまう気持ちもわかります。
しかし、これは本当に無駄なプライドだと思っています。
潔く「準備不足によって失敗しました、でも今は挽回するために必死に行動をしています」と素直に伝える方が可愛げがあるかなと思います。
どうせ、社会人になっても失敗することなんて山ほどあります。
そんな時に、どうリカバリーできるかが重要なので、変な言い訳をせずにどう改善しているのかに焦点を当てるべきです。
高め合える仲間を作る
4つ目は、必ず仲間を作ったほうがいいということです。
一人で挑むとモチベーションを保ちづらいですし、視野が狭くなってしまいます。
おすすめは長期インターンシップなどに参加して、仲間を作ることです。
就活時代にできた仲間はとても貴重です。思考が近く、同じ業界などに進むこともあるので、社会人になってからも仲良くできます。
「周りが1つ下だから仲良くなれないかも、、」とか言ってたら詰みます。
僕は1ヶ月間の長期インターンシップで出会った仲間と就活の情報交換をしたり、お互いの過去の経験を掘り下げあったり、面接対策を行なっていました。
精神的な支えにもなりましたし、本当に有意義な時間でした。
社会人にも相談したほうがいい。
5つ目は、社会人にも相談するべきだということです。
僕の場合は、長期インターンシップの会社の先輩にメンターとなってもらって、就活の軸を一緒に考えてもらいました。
学生だけの視点だとどうしても狭くなるのと、的外れになりやすいです。
社会に出ている先輩のアドバイスが自分の視野を大きく広げてくれるなと感じます。
僕も穿った目で見ていましたが、就職エージェントの活用も良かったです。
もちろん、企業の紹介が目的としてあるのは前提ですが、それでも相談に乗ってくれることには変わりないので、アドバイスを受けることは有意義です。
最近だと新卒向けのエージェントも結構増えているので、上手く活用すべきだと思います。
OB訪問するべき
6つ目は、OB訪問です。
OB訪問は不要と言われることもありますが、僕はして良かったと思っています。
社会人の方と会話する訓練にもなりますし、実際に何をモチベーションに働いているのかを聞いたりすることで、「自分自身もこうなりたいな」「こうはなりたくないな」と
将来のありたい姿を考えるきっかけになりました。
また、面接の最後には、必ず自分自身がどう写ったかを確認して、次に活かしていましたし
チャンスがあればOBの方にさらに他の先輩を紹介してもらったりもしていました。
企業研究も、一人でネットや本で調べていても机上の空論になりがちですが、
実際に働いている先輩から聞くことで、よりリアルな話を聞くことができると思います。
まとめ
以上、「就職留年のメリットとデメリットと就職留年の期間の過ごし方」についてご説明しました。
繰り返しになりますが、この記事は就職留年をおすすめする意図はありません。
ただ、就職留年は絶対によくないとは思っていませんし、
もしするのであれば覚悟を決めて、有意義な時間を過ごしてほしいという意思を込めて書いています。
参考になれば幸いです。
僕は、新卒の就職支援はメインとしてやっていないですが、インターンシップは募集しているので、興味のある方はTwitterから連絡ください。
Twitter:@remotetenshoku