「市場価値を上げたい」
私を含めて、ほぼ全員が考えていることではないでしょうか。
こんにちは。私は株式会社Carionsの山下です。
上京を支援する「リモート転職」を運営し、東京で働きたい方と話をする中で、ほとんどの人が「市場価値を上げていきたい」と考えていることに気づきます。
終身雇用の崩壊や年功序列の廃止など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。
だからこそ、自分自身の市場価値を意識する方が特に増えています。
そこで今回の記事では、今非常に流行っている”転職の思考法”という本を読んで感じたことについて書きたいと思います。
転職の思考法とは?
「転職の思考法」とは、就活サイトを運営する ONE CAREER 執行役員の北野唯我さんが執筆された本です。
小説形式になっており、物語を読み進めながら転職のシミュレーションができるような流れになっています。
Twitterでたくさんの方が良書だと呟いていることや、転職支援している方から「面白い本がありました」とおすすめしていただいたため、私も読んでみることにしました。
有名なビジネス書の「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」と重なる部分はありますが、LIFE SHIFTでは詳しく説明の無かった「どうやって市場価値を高めるか」という点が具体的に書かれています。
決して転職を勧める本ではなく、転職を考えている人だけでなく就活生や転職を考えていない社会人も読むと勉強になる本だと感じました。
上司ではなくマーケットを見て働くこと
「上司との人間関係が…」と悩む方はたくさんいます。
しかし、会社が潰れても食べていける人と食べていけない人との違いは「上司を見て働くか、それともマーケットを見て働くか」だと説明されています。
会社で働いていると、つい目の前の世界が全てのように思えることがあると思います。
私自身、働きながら感じていたことでもあり、実際に転職相談をする中でも「上司と合わない」という内容の相談はよくあります。
そのような狭い視野で働いていると市場価値は上がりません。
両輪ではありますが、目の前の仕事に一生懸命取り組むことと、常に自分が置かれているマーケットを意識して働くことが非常に重要だと言えます。
転職は多くの人にとって初めての意思決定
大学選びや、会社選びなど、自分で意思決定したと思うことはあるはずです。
しかし、実は世の中で良いと言われる大学を目指し、世間的に良いと言われる企業への就職をしただけで、捨てることを伴う意思決定をしている人はほとんどいないという内容でした。
そして、本当に意味がある意思決定とは、捨てることを伴う意思決定であり、転職で初めてその意思決定をするということです。
だからこそ、なかなか思い切って踏み出すことができません。
特に、高校、大学とストレートに入り、世間では安定していると言われる大企業に就職をするなど、綺麗な経歴の方であればあるほど、レールから逸れることに対してリスクを感じてしまいます。
市場価値(マーケットバリュー)を上げるためには?
こちらの本では、一貫して「市場価値を高めて、いつでも転職できる状態を作り出すことが大事」だと説明されています。
市場価値(マーケットバリュー)は「業界の生産性×技術資産×人的資産」の3つの要素の掛け算で決まると説明されています。
業界の生産性:一人当たりの粗利
技術資産:他の会社でも通用する技術的蓄積
人的資産:自分のために動いてくれる人はどれだけいるか
また、その市場価値(マーケットバリュー)を高めるためには、
技術資産:20代は専門性を高めて、30代で経験でキャリアを作る
業界の生産性:生産性の高い産業、伸びている産業を選ぶ
人的資産:価値を生み出すのに時間がかかる。20代、30代の自分次第。
が重要だとまとめられています。
詳しくは本を読んでいただきたいのですが、20代でどれだけ専門性を高められるか、伸びている業界や産業を選択できるかが将来、「いつでも転職できる」という交渉のカードを持てるかどうかに繋がっているという内容でした。
テストの点数や偏差値などで能力が可視化されていた学生時代と違って、社会人は能力の差が明確には見えません。
だからこそ、どの場所を選んだかが市場価値を左右されることが多く、衰退産業より成長産業を選ぶべきと説明されています。
他にも、会社の見極め方、いいエージェントの見極め方、自分にどんなラベルを貼るかなど興味深い内容がたくさんありました。
20代は東京で働くことがいいと思う理由
この本を読んで見て、改めて20代は東京で働くべきだと確信しました。
私自身も関西から出てきて、会える人の幅が圧倒的に広がったことを実感しています。
実際に上京を成功させた方から話を聞いても、地方にいた頃より向上心を持って働く同世代の仲間がいて刺激を受けることも多いと聞きます。
また、地方の安定した企業からベンチャー企業に就職をすることで、地方にいた時より圧倒的にスピード感を持って働いていると話を聞くことも多くあります。
地方でも伸びている産業・企業はあると思いますが、日本で最も人と企業が集まっている東京と比べるとその数は少ないはずです。
もちろん、一生東京で働き続けることが良いとは思っていません。
実際に、40代を超えて生まれ育った地域や地方で働くことを選択する方とも出会いました。
しかし、いずれも経営者や役員、部長などの経験をしている方が多く、東京で蓄えた技術資産や人的資産を活かして、地方で仕事をしているようでした。
まとめ
今回は、転職の思考法を読んで感じたことについて、書いて見ました。
市場価値(マーケットバリュー)を高めることは、長期的な選択肢を広げることに繋がります。
逆に市場価値(マーケットバリュー)が低いと、自分自身が選ばれる立場になり、望む仕事につけないこともあるかもしれません。
転職の思考法は決して、転職を勧める本ではないので、市場価値(マーケットバリュー)と向き合い、日々仕事をするためにも是非読んで見てはいかがでしょうか。