「コンサルティングファームへの転職に挑戦したい」
今回は、そんな内容についてお話しします。
こんにちは、上京を支援するリモート転職を運営する株式会社Carions代表の山下です。
株式会社Carions代表取締役。リクルートスタッフィング出身の国家資格キャリアコンサルタント。毎年300名以上の転職・上京支援をしています。”友達を紹介したくなるキャリアコンサルタント”をテーマに、闇雲な求人紹介ではなく、ヒアリングを重視したキャリアコンサルティングが得意です。
コンサル業界といえば、優秀な方が揃っていて高年収だというイメージが強い業界だと思います。
新卒の際に憧れていたけど入社できなかった方や、転職を機にさらにキャリアアップしたいからコンサル業界を視野に入れているという方は多いと思います。
ビズリーチに登録すると、外資系コンサルティングファームの求人のオファーが届くこともありますが、
「コンサル業界はハードルが高そう」「スキルや資格がないと入れないだろう」と考えている人は意外と多いです。
しかし、実際に未経験からコンサル業界に転職する人は、かなり多くいます。
そこで、今回は「未経験からコンサル業界に転職する実態と方法」について紹介します。
また「コンサル業界に転職するメリットとデメリット」についても紹介しますので
コンサルティングファームへの転職を視野に入れている人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
未経験からの転職は可能なのか?
結論として、未経験からでもコンサルティング業界への転職は可能です。
むしろ中途採用では、コンサル業界に入社する転職者の約8割は未経験から転職しています。
もちろん、採用の割合は会社によって異なりますが、ほとんどの人が別の業界や職種から転職しているといえます。
未経験の人でも、転職が可能な理由として、
- コンサルの市場が拡大していること
- コンサル業界のビジネスモデル
が挙げられます。それぞれ、簡単に解説していきます。
理由①コンサル市場の拡大
1つ目は、コンサル市場が拡大しているという理由です。
IDC Japan が発表した「国内コンサルティング市場予測」によると、
2018年の国内コンサルティングの市場規模は、前年比6.4%増の7,659億円となっており、2023年には9969億円に達すると予測しています。
これは、日本のコンサル業界の市場規模がまだまだ拡大の余地を残していることの裏付けであり、市場の拡大に伴い、コンサル業界の会社は人手不足に陥っています。
したがって、経験者だけの採用では人手不足を補うことができなず、未経験からの転職者も積極的に採用しています。
未経験からコンサル業界を目指す人には追い風の環境だと言えます。
理由②コンサル業界のビジネスモデル
2つ目は、コンサルのビジネスモデルに理由があります。
コンサルティングのビジネスモデルは、基本的に労働集約型のビジネスであり、労働者の量に依存します。
つまり、ビジネスが拡大すればするほど多くのコンサルタントが必要になります。
そのため、コンサル市場が拡大している昨今では、より多くの人材が必要になり、未経験者の採用増加に繋がっているといえます。
未経験からのコンサル業界への転職は何歳まで可能?
では、未経験からコンサル業界への転職するには何歳まで可能なのでしょうか?
明確な基準はありませんが、一般的には30代中盤までが目安となっています。
20代の方だと、地頭があって、吸収力や素直さが伴っている場合はポテンシャル採用として、未経験でも受け入れられる可能性が高くなります。
ですが、40代であっても、特定分野への知見が豊富であったり、経験とプロジェクトとの親和性が高い場合には、未経験でも採用される可能性はあります。
未経験からのコンサル転職に必要なスキル
未経験からの転職者も増加傾向にありますが、注意しなくてはいけないのは、コンサル業界への転職が簡単という訳ではないことです。
決して、なりふり構わず採用している訳ではありません。
そこで、コンサルティングファームの選考でみられるポイントや未経験からコンサル業界への転職の際に必須となるスキルについてご説明していきます。
未経験の方が面接・採用で見られるポイント
未経験の中途採用の場合は、基本的にはポテンシャル採用を行なっているコンサルティングファームが多いです。
ポテンシャルとは、具体的には、論理的思考能力(ロジカルシンキング)やコミュニケーション能力などの、コンサルタントとして必要になる能力のことを言います。
面接では、これらの能力があるかを見抜く質問がなされ、コンサルタントとして適正があるかが判断されます。
論理的思考能力は、「なぜ、今の会社を離れようと思ったのか」「なぜ、未経験からコンサルに挑戦しようと思ったのか」といった質問で、自分の考えを論理的に説明することできているかが問われます。
また、通常の面接に加え、ケース面接というコンサル業界に特有の面接を課すコンサルティングファームもあります。
ケース面接では、仮想のケースに情報を与えられた上で、論理的に回答を導きプレゼンすることが求められます。
ここで大事になるには、面接官は決して答えを見ているわけではなく、課題に対する考え方を見ています。
正解を出すことではなく、コンサルタントとしてのロジカルな考え方が求められるんだということを意識することが大切です。
面接で聞かれる質問内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
必要となるスキルや資格
必須となるスキルや資格は、特にありません。
MBAや公認会計士・税理士などの士業系資格を持っていると、選考の際に優遇はされますが、必須ではありません。
それよりも、上記のコンサルタントとしてのロジカルな考え方や、前職でどのような成果を出してきたかが重要になります。
そのため、未経験で資格がないからといってコンサル業界への転職を諦める必要はありません。
ただし、コンサルティングファームは外資系の企業が多いため、英語力は求められる傾向があります。
ロジカルシンキングに加え、語学力は身につけておいて損はないといえます。
もし、語学力が足りない場合は、今後どのようにキャッチアップしていくか計画を立てておく必要があります。
地頭や職歴は見られる傾向にある
あくまでも傾向ですがコンサルティングファームの採用では、国公立や早慶レベルの地頭が求められています。
もちろん例外はありますが、MARCH以上の学歴が1つの基準になっているかと思います。
また、コンサルティングファームに転職する方の現職や前職の職経歴を挙げると、
- SIer(エンジニア・セールス)
- 広告代理店(マーケティング・セールス)
- 大手総合商社
- 大手メーカー
- 不動産会社
- メガバンク・クレジットカード・保険などの金融機関
- IT系のスタートアップ
などが挙げられます。
また、リクルートグループの事業企画からコンサルティングファームに進む方も多く見られます。
コンサル業界への転職のための準備しておくべきこと
面接に向けて、どのような対策をすればいいのでしょうか。
上記で挙げた論理的思考能力やコミュニケーション能力については、書籍書等がたくさん出ているのでそちらを参考に勉強してみるといいかと思います。
ケース面接についても書店にいけば、いくつも本が並んでいますが、
何より大事なのは、「なぜ、コンサルタントになりたいのか」といった転職理由や自分の今後のなりたい姿を明確にすることです。
これらの理由の整合性があるかは面接で確認される重要なポイントになるので、論理性を持って説明できるように準備しておくことが必須です。
加えて面接の場で、重要な3つのポイントについてご説明します。
- ・出来ることを抽象化する
- ・営業成績や実績を数値で示す
- ・自ら問題解決した経験を伝える
コンサルに転職する際の志望動機の作り方はこちらの記事で詳しく説明していますので、合わせて読んでみてください。
出来ることを抽象化する
1つ目は、出来ることを抽象化することです。
現職での仕事の、どのような考え方や取り組み方がコンサル業界で活かせるのかを説明できる必要があります。
「現職ではこういうことを経験しました」と、ただやったことだけを伝える方がいますが、
その経験がコンサルティングファームでの仕事に、どう活かせるかイメージを持てていない場合が多いです。
ただやったことを伝えるのではなく、自分自身の経験を出来るだけ抽象化して、面接官が活躍する姿をイメージできるように伝える工夫が重要です。
営業成績や実績を数値で示す
2つ目は、営業成績や実績を数値で示すことです。
自分自身の売上額や、社内での順位、表彰実績なども具体的な数字とセットできちんと把握しておくことがマストです。
営業の方だと、具体的にどれくらいの額を売り上げていたのか、プロジェクト全体でどのくらいの予算を持っていたのかなどの事実はきちんと把握しておくべきです。
また、自社の売上規模やプロジェクト全体の予算など、全体的な数字の理解に欠けている方も見られますが、自分自身を取り巻く数字は全て把握しておくことは重要です。
自ら問題解決した経験を伝える
3つ目は、自ら問題解決した経験を伝えることです。
当然ですが、コンサルティングファームでは、自走する力が求められます。
受け身な姿勢で、ただ仕事を待っているようでは間違いなく活躍できません。
自分自身の仕事において、「どのような問題意識を持って取り組んでいだのか」
「どんな仮説を立てて、PDCAを回していたのか」など成果を出すための過程をきちんと説明できるようにしておく必要があります。
コンサル業界に転職するメリット
コンサル業界への転職を目指すのであれば、転職するメリットとデメリットを正しく把握していることが重要になります。
まずは、コンサル業界に転職するメリットを確認しておきましょう。
給与が高くなる
コンサル業界は、平均年収が1,263万円と、他業界と比較してかなりの高年収になっています。
戦略系、総合系などで給与水準は変わりますが、20代で年収1,000万円を超えるケースも少なくなくないため、転職後にはほとんどの人が年収が上がっています。
戦略系コンサルティングファームだと、20代で年収2,000万円に到達するケースもあります。
「今の仕事よりも年収を上げたい」と考えている人にとっては、コンサル業界の高い給与は大きなメリットであるといえます。
コンサルティングファームは、6〜7階層に別れている。会社によって呼び方は別れている。
- 1、アナリスト/コンサルタント:500-650万
- 2、シニアコンサルタント/アソシエイト:650-900万
- 3、マネージャー:900-1,250万
- 4、シニアマネージャー:1,250-1,600万
- 5、ディレクター/ダイレクター:1,600-2,000万
- 6、パートナー/マネージングディレクター:2,000万以上
上位レイヤーになると、賞与を含めて5,000万円以上もありえるため、年収で1億円に到達する人はいます。上に行けば行くほど賞与の幅が広がります。
ビジネススキルを高められる
実際にコンサルティング業務を行う際には、
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- 資料作成力
など、多くの能力を発揮することが求められます。
このような業務でビジネススキルをフルに発揮することで、短期間であってもビジネススキルを高めることができます。
転職の際に有利になる
上記のようにビジネスマンとして高い能力を身に付けることができるため、転職市場での価値が高くなります。
もし、コンサルに転職後に転職をしたいとなったときに自分の希望の会社に行くことができる可能性が高まります。
コンサル業界に転職するデメリット
転職の際には、メリットと併せてデメリットを知っておくことで、入社後のギャップがなくなります。
「コンサル業界に転職しなければよかった」とならないために、コンサル業界に転職するデメリットも確認しておくことがおすすめです。
高い生産性を求められる
コンサルティング業界は、特に高い生産性を求められる業界です。
コンサルタントは限られた納期の中で、高い質のアウトプットが求められます。
コンサルというと華やか業務内容がイメージされがちですが、地道な作業や分析などの業務が非常に多いです。
その1つの業務あたりにどれくらいの時間がかかるかシビアに見られますし、必要な業務と必要でない業務を自ら取捨選択していく必要があります。
そのため、効率を意識して仕事をすることが苦手な人にとっては非常に厳しい環境かもしれません。
振られたタスクに対して「このタスクの目的とゴールは何か?」を常に意識して、素早くポイントを掴む力が重要です。
実力主義の風土は強い
コンサル業界は、良くも悪くも実力主義の風土は強いことが基本です。
コンサルタントは顧客に対して、どれだけ貢献できたかといった成果が非常に重要です。
また、実力次第では自分より年下の人が上司になることもあり得るので、実力主義であるがゆえの難しさがあるといえます。
ただし、近年では人材不足などの背景もあり、シニア以上のマネジメントレイヤーでは、部下を育てられるかも評価基準となっています。
そのため、これまではドライなイメージがあった外資系コンサルティングファームでも、チームワークや関係性を大切にしようという風土は強くなっています。
前のめりな姿勢が求められる
上記の通り、コンサルティングファームは基本的に実力主義であるため、成果を出すことがシビアに要求されます。
そのため、受け身の姿勢で、誰かが教えてくれるのを待っているようでは成長できません。
成果を出すために、少しでも勉強できることはないか、と常に前のめりな姿勢で仕事に挑むことが求められます。
「プレッシャーのかかる仕事はしたくない」「先輩に1から10まで教えて欲しい」という街のスタンスの人にとっては厳しい環境であるかもしれません。
コンサル業界への転職は転職エージェントの利用が必須
コンサル業界といっても、戦略・IT・人材・シンクタンクなど多くの種類があります。
そのため、ファーム毎の特徴を理解していないと入社後にギャップを感じてしまうことに繋がりかねません。
コンサルティング業界への転職を支援するサービスはいくつかありますが、その中でもおすすめするサービスをご紹介します。
ビズリーチ
ビズリーチは、日本最大級のハイクラス向け転職サイトです。
レジュメを登録しておくと、企業の採用担当者やヘッドハンターから直接スカウトが届く仕組みになっています。
冒頭でもご紹介したように、外資系コンサルティングファームの求人のオファーが届くことも結構多いです。実際に私の友人がビズリーチ経由で、外資系コンサルティングファームに転職をしたこともあります。
高収入で良質な案件が多いので、登録して連絡を待てばピンポイントでスカウトを受けられるかもしれません。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、業界最大手のリクルートキャリアが運営する大手総合転職エージェントです。
一般に公開されている求人の他、10万件以上の非公開求人を取り揃えており、案件数・決定数ともに業界No.1となっています。
各業界・業種に精通したキャリアアドバイザーが希望やスキルに沿った求人を紹介してくれるので、とりあえず登録して案件だけ紹介もらうのもいいと思います。
まとめ
今回は、未経験からコンサル業界に転職する実態についてご紹介しました。
コンサルティングファームへの転職で求められるレベルは、決して低くないですが、未経験からでもきちんと準備して挑むことで、転職することは可能です。
未経験からコンサル業界への転職を考えている方は、ぜひ、参考にしてみてください。
関連記事:コンサルに転職するための志望動機の作り方について【バランスが重要】
関連記事: