「ベンチャー企業に転職して、本当に大丈夫だろうか?」
という相談を受けることが多くあります。
20代の転職を支援する株式会社Carionsの代表取締役。リクルートグループ出身。年間300名以上の転職・上京を支援しています。。上京支援のプロとして、マツコDXさんが出演する東京MX テレビ「5時に夢中!」に出演。”友達を紹介したくなるキャリアコンサルタント”をテーマに闇雲な求人紹介ではなく、ヒアリングを重視した転職支援を実施しています。
こんにちは、転職を支援する株式会社Carions代表の山下です。
私は普段、20代の方をメインに転職支援していますが、ベンチャー企業への転職を検討する方とお話しすることが多くあります。
最近では、大手企業からベンチャー企業に転職するケースは決して珍しくないですし、
実際に直近でも、大手メーカーからAI系ベンチャー、商社からフィンテック関連のスタートアップ、メーカーからWEB系のスタートアップ企業への転職などを支援しています。
ベンチャー企業に転職することが、それほど珍しくない時代になったとは言え、いざベンチャー企業に転職するとなると勇気がいると思います。
そこで、今回は「ベンチャー企業に転職して後悔する理由とベンチャー企業に転職して成功する人、失敗する人、そして、具体的な転職方法」についてまとめてみました。
ベンチャー企業に転職をした方とも普段よく話をしていますし、私自身もベンチャー企業に転職するために活動をしたことがあるので、そういった情報も踏まえて書いてみます。
ベンチャーへの転職を考えている人には、必ず役立つと思いますので、最後まで読んで見てください。
Contents
ベンチャー企業に転職して後悔する理由TOP5
実際に、ベンチャー企業に転職した方を見ていると転職後に、後悔している方もいます。
まず、ベンチャー企業に転職して後悔してしまう理由TOP5について、ご紹介します。
- やりたいことができない
- 仕事がハードすぎる
- 会社の業績が悪い
- 給料が低いし上がらない
- 社風が合わない
それぞれ、説明していきます。
やりたいことができない
1つ目は、「やりたいことができない」という後悔です。
ベンチャー企業では、一人一人の業務範囲が広いことが多いです。
”この業務だけを任せます”というケースは少なく、部署を横断した仕事や複数の役割を兼任することも多々あるため、
想像以上に自分の仕事の守備範囲が広く、やりたいことに割ける時間が少なかった、、と後悔する場合があります。
一概には言えませんが、大手企業だと部署ごとに細分化されているため他の担当者に任せられる業務も、ベンチャー企業だと自分でやる必要があります。
仕事がハードすぎる
2つ目は、「仕事がハードすぎる」という後悔です。
もちろん、ベンチャー企業の働き方がハードではないと思って、入社する人はほとんどいません。
それでも「入社してみると想像を超えるハードさがあった」という声をよく耳にします。
もちろん、企業のフェーズによりますが、特に立ち上げたてのスタートアップなどは、まずは量をこなして、会社の骨格を作ろうとします。
課される目標があまりにも重く、プレッシャーに押しつぶされそうになったり、業務範囲が広すぎて仕事が終わらないような状況に陥ると、こんなはずじゃなかったと後悔してしまいます。
会社の業績が悪い
3つ目は、「会社の業績が悪い」という後悔です。
ベンチャー企業の業績は、外部からは見えにくいものです。
そのため、入社してから「入社前に聞いていたより、会社が傾いている、、」と後悔するケースもあります。
会社の業績を公開している企業もありますが、ほとんどの場合は公開していないため、
表面的には、伸びているように見えるけれども、実態は業績が伸びていないケースは珍しくありません。
そもそも、ベンチャー企業は常に攻め続けています。だからこそ、業績が急激に良くなることもあれば悪くなることもあります。
しかし、入社前とのイメージのギャップが大きければ大きいほど、後悔してしまいます。
給料が低いし上がらない
4つ目は、「給料が低く、上がりづらい」という後悔です。
ベンチャー企業に転職する場合は、給料を下げて転職するケースが多いです。
給料が下がると生活水準も下がるため、「想像以上に生活が苦しかった」と後悔する場合があります。
また、給料が低いことは入社前からわかっていたので覚悟していたけれど、
「給料の上がり幅が小さい」ということに後悔する場合もいます。
会社によってそれぞれですが、給料の上がり幅は入社前に確認しづらい内容でもあります。
「頑張っていると、給料は上がるだろう」と思い込んでいると、実際にそうでなかった場合にギャップを感じて、後悔するケースが多いです。
社風が合わない
5つ目は、「社風が合わない」という後悔です。
転職先の会社の社風が、自分の性格と合わないこともあります。
特に堅めの大手企業にいた人であれば、ベンチャー企業独特の若い雰囲気に戸惑うことも多いです。
「ノリが若すぎる」と悩みを抱える方も多く、実際に私が知っているベンチャー企業でも、飲み会で想像を絶するくらい飲むような会社があります。
たくさん飲んで潰れることが伝説として語り継がれるような風土のため、合う人にはいいですが、合わない人はしんどいだろうなと思います。
ベンチャー企業に転職する人はなぜベンチャーを目指す?
ベンチャー企業に転職することで後悔する可能性がある中で、それでもベンチャー企業への転職を目指す人は多いです。
その理由を尋ねてみると
- 出来ることの幅を広げて市場価値を高めておきたい
- 成長市場に身を置きたい
という回答をされる方が多く、世の中の大きな変化が影響しているなと感じます。
大手企業が早期退職を募るなど、終身雇用の崩壊が目に見えて進んでいたり、
オリンピック後の不景気が予想される中で、”会社にぶら下がるのではなく、いかに個としてのスキルを高めるか”という点に若者の興味・関心が高まっています。
歴史のある大手企業に勤めていることが安泰だと捉える人も少なくなり、伸びている市場に身を置きたいというニーズは高まっていることを感じます。
私自身も前職で勤めている際にLiftShiftを読んで、このままでいいのかな?という不安になったことを覚えています。
この辺りの考え方については、感度の高い方は下記の書籍を読んでいて、私も実際に全て読みましたが、おすすめできます。
ベンチャー企業への転職に成功する人と失敗する人の特徴
ベンチャー企業への転職を目指す人が増える中で、
実際にベンチャー企業に転職することで、成功する人もいれば失敗する人もいます。
ここでは、それぞれの事例についてご紹介します。
ベンチャー企業への転職に失敗する人の特徴
まずは、ベンチャーへの転職に失敗してしまう人の特徴です。
転職の目的が明確になっていない
1つ目は、「転職の目的が明確になっていない」というパターンです。
「なんとなく、ベンチャー企業に転職すると力がつくだろう」などふわっとした理由で、ベンチャー企業に転職してしまうと確実に後悔します。
また、ベンチャー企業に、あれもこれもと多くを求めることはナンセンスです。
”転職活動を通して、何を実現したいのか”が定まっていないと、入社してからしんどいことがあったり、嫌なことがあった時に「やっぱり転職しなければよかった、、」と後悔することになります。
他責思考
2つ目は、「他責思考」のパターンです。
「制度が整っていない、仕事が多い、仕事が少ない、優秀な上司がいない」
などと環境のせいにすることは、ベンチャー企業で働く上では論外だといえます。
- ・誰かが丁寧に仕事を教えてくれるだろう
- ・自分に合う仕事を見つけてくれるだろう
という他責思考でいると、会社での居場所がなくなってしまい、失敗したと感じてしまいます。
前職の価値観を捨てられない
3つ目は、「前職の価値観を捨てられない」というパターンです。
前職のやり方や成功体験に引きずられて、変化できない人は厳しいです。
有名大手企業で活躍していた人事の方が、ベンチャー企業に転職して、採用責任者になった途端、前職と同じやり方で進めたという話を直接聞いたことがあります。
結果、大手企業のように看板がないため、採用するための前提条件が全く異なっており、成果が伴わなかったようです。
「前はこうだった」と頑なにやり方を変えられないような人は、ベンチャー企業では活躍しづらいです。
ベンチャー企業への転職に成功する人のパターン
一方、ベンチャー企業への転職に成功し、転職後も活躍している人がいます。
- ・圧倒的な成果を出している
- ・ぐんぐん役職や給与が上がっている
- ・挑戦したい仕事を任されている
などと、ベンチャー企業で活躍している人の特徴についてまとめて見ます。
転職の目的が明確にある
1つ目は、「転職の目的が明確にある人」です。
”転職で実現したいことを明確にできている人”ほど、新しい環境で活躍しています。
また、その目的はたくさんあるのではなく、出来るだけ絞られている方が望ましいです。
あれもこれもだと、結局何を実現したいのかを見失うことになります。
そのため、「私が転職する目的はこれだ」と心の底から言える状態で、転職している人が成功する傾向にあります。
自責思考を持っている
2つ目が、「自責思考を持っている人」です。
身の回りに起こることを全て自分ごととして捉えられるかどうかは、非常に重要です。
自責思考とは「何か問題やトラブルが起こった時に自らに原因があるとして、自らの改善を試みる傾向がある思考」のことで、ベンチャー企業で働く上では、重要です。
会社に無いものは自分で作り出さないといけないし、会社が伸びていないことは自分の責任だと思えるような当事者意識のマインドが重要です。
ベンチャー企業で活躍する人は、誰かが教えてくれるのを待つのではなく、自発的に上司や同僚や社外の人から学び、成果を出すためにはどうすればいいのかを常に考えています。
柔軟な姿勢を持っている
3つ目は、「柔軟な姿勢を持っている人」です。
ベンチャー企業で活躍する人は、会社の状況や周りの環境に応じて、自分自身を変化させる姿勢を持っています。
前職の価値観に縛られることなく、まずは素直に受け入れてやってみるという姿勢を持っている人は活躍します。
前職でのやり方が通用する部分もあれば、通用しない部分もあります。
例えば、営業だと大手の看板があったから契約できていただけかもしれません。前職のやり方が応用できる部分がどこかを見極めて、柔軟にやり方を変化させる必要があります。
また、ベンチャー企業では会社の成長に応じて、自分自身の役割も変化していきます。
その都度、自分自身がどのようにありたいか、あるべきかを考えながら動ける人はベンチャー企業で重宝されます。
ベンチャー企業への思い込みは捨てた方がいい
そもそもの話にはなりますが、”ベンチャー企業”と一括りにすることは難しいです。
ベンチャー企業は言葉の明確な定義がないですし、例えばリクルートやサイバーエージェントなどの巨大な会社もベンチャー企業と言われることもあります。
また、仮に設立から5年以内の比較的に若い企業をベンチャー企業と定義したとしても、今や企業のあり方は、非常に多様化しています。
そのため、「ベンチャー企業はブラック企業」などの思い込みも捨てるべきだと思っています。
最近では、19時退社を徹底し、働きやすさに重きを置いているベンチャー企業もありますし、正社員で週4勤務にしている会社も存在します。
もちろん、猛烈に働く会社もありますが、猛烈に働いて、経験・スキルを積み上げたい人にとって、労働時間が長い会社は決してブラックでは無いので
ベンチャー企業を一括りにして、思い込みを持つことは非常に勿体無いなと思います。
具体的におすすめしたベンチャー企業への転職方法について
では、具体的にどうすればベンチャー企業への転職がうまくいくのか。
実際に、ベンチャー企業への転職を成功させている人の事例をもとに、説明していきます。
転職の目的を絞り込んで考える
まずは、転職の目的を絞り込んで考えることです。
「この転職によって、何を実現したいのか」を深掘りして考えることが重要です。
まず、実現したいことを洗い出し、その中でも最も重要なことは何か、なぜそれが重要なのかを掘り下げる必要があります。
もちろん、キャリアの選択に正解・不正解はありませんので、
「自分自身がどうありたいか」を突き詰めて考えて、目的を考えることが大事です。
よりリアルな情報を集める
2つ目は、よりリアルな情報を集めることです。
ベンチャー企業への転職に後悔している理由のほとんどが、「想像以上に●●だった」という理由です。
つまり、事前に情報を集めておけば、防げた可能性があるのです。そうならないためには、よりリアルな情報を集めることが必要です。
実際にその会社や業界に勤めている方から話を聞くことも重要ですし、第三者からの客観的な意見を聞くことも効果的です。
ネットに転がっている情報だけで判断するのではなく、よりリアルな情報を集めて自分自身で判断するべきです。
デメリットも含めて意思決定する
3つ目は、デメリットも含めて、意思決定することです。
意思決定は取捨選択が伴うので、ベンチャー企業に転職することはメリットだけでなく、必ずデメリットも存在します。
特に、ベンチャー企業は広報が上手な会社も多く、メディアへの露出が多かったり、非常にキラキラしているように見える会社もあります。
しかし、どんな会社に転職するにしても必ず良いことだけではありません。
そのため、ベンチャー企業に転職することで、何を捨てることになる可能性があるのかを事前に想像しておくことが大事です。
”捨てる可能性があること”を認識した上で、意思決定するときっと後悔のない意思決定になります。
転職エージェントを有効活用する
4つ目は、転職エージェントを有効活用することです。
ベンチャー企業への転職で、どんな会社を受けたいかが明確に決まっている場合は、転職エージェントを利用する必要はないかもしれません。
しかし、転職エージェントを通じて、実際のベンチャー企業への転職の事例を収集したり、自分の経歴や指向性に基づいて求人提案を受けることは有効だと考えています。
また、志望動機や自己PRの壁打ち相手としても、良き相談相手となるはずです。
ありがちな転職エージェントに対する誤解として、転職エージェント経由だと内定率が落ちるという解釈がありますが、結論内定率が著しく落ちることはありません。
むしろ、転職エージェントからの推薦は企業側にとっても安心材料の1つとなります。
ベンチャー企業への転職は事前準備が重要
今回は、「ベンチャー企業に転職して後悔する理由とベンチャー企業に転職して成功する人、失敗する人、そして具体的な転職方法」について、ご紹介しました。
ちなみに、リモート転職でもベンチャー企業への転職支援も行なっております。
これまでの経験や今後の指向性を深掘りした上で、そもそもベンチャー企業に転職するべきか否かといった観点でのお話や、闇雲に求人を提案するのではなく、軸にマッチした求人提案を心がけています。
また、面接対策として、志望動機や自己PRをうまく伝えるための支援もしていますので、ぜひ気軽にご相談いただければと思います。