「新型コロナウイルスの影響で転職市場にどんな影響が出ているのだろうか?」
「コロナ禍での転職活動は何を意識すれば良いのだろう?」
新型コロナウイルスが蔓延している現在、市場の動向を把握できず転職をしようか踏み切れない方が多いのではないでしょうか。
株式会社Carions代表取締役。リクルートスタッフィング出身の国家資格キャリアコンサルタント。毎年300名以上の転職・上京支援をしています。”友達を紹介したくなるキャリアコンサルタント”をテーマに、闇雲な求人紹介ではなく、ヒアリングを重視したキャリアコンサルティングが得意です。
こんにちは、上京を支援するリモート転職を運営する株式会社Carions代表の山下です。
今回、実際に転職活動の支援をする中で感じる「新型コロナウイルスの転職市場への影響、またコロナ禍での転職活動で大事なポイント」についてご紹介します。
コロナ禍での転職市場の動向を知りたい、転職をしようか考えている人は、最後まで読んでみてください。
Contents
新型コロナウイルスの転職市場への影響
まず新型コロナウイルスは、転職市場にどのような影響を与えているのでしょうか。
転職市場全体から、企業側・求職者側といった細かい視点での影響までお話しできればと思います。
2:企業側への影響
3:求職者側への影響
4:働き方・採用活動への影響
それぞれ、簡単に説明していきます。
コロナによる影響①:転職市場全体への影響
まず、新型コロナの転職市場全体への影響として、もっとも大きな影響は売り手市場から買い手市場に変化していることが挙げられます。
近年は雇用情勢が比較的安定していたこともあり、求人数・求職者数ともに高い水準で推移していましたが、
厚生労働省が発表している有効求人倍率を見ると、2020年5月時点で1.20倍となっており、昨年同時期は約1.60倍であったことと比較すると買い手市場への変化が見て取れます。
上記の図を見ていただくと、転職希望者数の数は変化していない一方で、求人数が大きく減少し、有効求人倍率が大きく減少していることがわかりやすいかと思います。
「求職者数は変わらないが求人数は減少しているため、有効求人倍率が減少し、売り手市場から買い手市場に変化している」ということを理解することがコロナが転職市場に与えている影響を把握するための第一歩になります。
以下、企業側・求職者側・働き方の変化などそれぞれでの影響を詳しく説明していきます。
コロナによる影響②:企業側への影響
厚生労働省が発表している2020年5月時点の新規求人数は、前年同月と比較して32.1%減となっており、求人数が大幅に減少していることがわかります。
従業員の一時解雇や自宅待機に踏み切る企業も出てきており、特に製造業や小売業、宿泊業、飲食業やサービス業などは、前月同月比での新規求人数が大きく減少しているなど、雇用面で大きな影響を受けていると言えます。
一方で、テレワークが普及したことが追い風となって、IT系の通信キャリアやネットワーク系に強みをもつ企業や、テクノロジーベンダーと言われる業種は堅調に事業を伸ばしています。
企業の採用への影響については、業界毎に細かい違いはあるかと思いますが、大まかに
- 採用を縮小またはクローズしている企業
- 採用を続けているが要件を引き上げている企業
- この機会をチャンスと見なし採用を強化している企業
の3パターンに分けることができます。
採用を強化している会社については、上記のWeb系企業の中でも特にメガベンチャーなどのベンチャーよりの企業が多い印象がありますが、
割合でいうと1か2に該当する企業が多く、概して経験者の採用枠が拡大しており未経験からの転職は難しくなっていると感じます。
また、採用の費用面の関係で中途採用よりも新卒採用に力を入れ始めている企業も出てきており、中途採用ではより経験者が求められている傾向にあることがわかります。
新型コロナウイルスの影響でビジネスが停滞してしまう企業と、これをチャンスと捉えることのできる企業では採用に大きな差が出ていると言えるでしょう。
コロナによる影響③:求職者側へ影響
では、求職者側ではどのような変化が見られるのでしょうか。
上記の通り、求人数は減少傾向にあるとお伝えしましたが、実は求職者数はコロナ前と変化しておらず、むしろ増加傾向にあります。
既出のグラフをみると、2020年6月の有効求人数は前年同月と比較して72.5%である一方、転職希望者数は前年同月比で102.6%となっており、前年に比べ増えていることが読み取れます。
求職者数が増加している理由として、緊急事態宣言によって休業や自宅待機を余儀なくされた方が、将来に不安を感じ転職を考え始めていたり、
在宅勤務で時間ができたことにより、自分の仕事を見直すきっかけとなっていることが転職を決断させているとしてあげることができます。
実際に転職のご支援をしている中で、将来を見据えた安定企業への転職や、自分のスキルを磨くことができる企業への転職を希望される方が増えているのではないかと感じます。
コロナによる影響④:働き方・採用活動への影響
コロナによってもたらされた、働き方・採用活動への変化もコロナ禍での転職活動に大きな影響を与えています。
大きな変化としては、在宅勤務を実施している企業が増えたこと、またその影響から採用面接もオンラインで実施する企業が増えていることが挙げられます。
ヤフーやGMOペパボといったIT系の企業では、在宅勤務でデフォルトにするなどの方針がすでに固められておりますし、「転職ドラフト」というITエンジニアの採用イベントでは、在宅勤務が前提の採用が全体の4分の1以上を占めています。
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在宅勤務の広がりや採用活動のオンライン化に伴い、これまで採用の対象でなかった地域にまで採用の対象を拡大する企業も増えています。
例えば、在宅勤務であればどこにいても仕事をすることができるため、東京に本社がある企業が関西の優秀な人材を採用し、在宅で仕事をしてもらうといったケースも今後どんどん増えるのではないかと感じています。
コロナによる働き方や採用活動の変化により、企業としても求職者としても選択肢を広げることにもつながっているということも言えるのではないでしょうか。
コロナ禍での転職活動で意識すべきこととは?
新型コロナウイルスにより、企業・求職者の両方に様々な影響が出ていることがわかりました。
コロナ禍での転職活動では、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
2:オンライン面接環境を整える
3:転職理由と志望動機はしっかりと言語化を行う
それぞれ、簡単に説明していきます。
転職エージェントを上手く活用する
1つ目は、転職エージェントを上手く活用することです。
上の図でも示していますが、コロナの影響で、選考の難易度は大幅に上がっています。
コロナ禍の転職活動において、転職エージェントを利用することのメリットとして
- 転職市場や企業の最新情報を得ることができる
- 選考の通過率が向上する
という2つを挙げることができます。
まず、コロナ禍での市場の状況や企業の採用状況を個人で把握することはなかなか難しいですが、転職エージェントは常に転職市場や企業の最新情報を把握しています。
市場や企業の状況を踏まえた上で自分にあう企業を紹介してくれることは、コロナ禍の転職活動において大きなメリットになります。
また転職エージェントを利用すると、応募書類の添削や面接対策を行ってくれるところがほとんどです。
上記の通り、コロナ禍の転職活動では企業の採用ハードルが上がっている背景があるので、少しでも選考通過の可能性を上げるために利用することをおすすめします。
実際に、コロナの影響により通常の選考が動いていないことから、これまではエージェントを利用しなかったような層からも、企業を紹介してもらうためにエージェントに登録していただくケースが増えているように感じます。
オンライン環境を整える
2つ目は、オンライン環境を整えることです。
オンライン面接の機会が増えている中で、スムーズに面接の実施ができるよう環境を整えておく必要があります。
通信環境や接続方法だけでなく、自分の顔が映りやすいようになるべく明るい場所を選んでシンプルな背景にできるようになど、細かいところにも注意をしましょう。
オンライン面接で上半身しか写らないから良いだろうと思ったのか、下半身はパンツ一丁で面接を受け、ふとしたタイミングでその姿が画面に写ってしまいお見送りになった事例もあるようです。
そういった意味でも、オンラインでも万全の体制で面接に臨むことができるように事前準備は徹底をしていきましょう。
転職理由と志望動機はしっかりと言語化を行う
3つ目は、転職理由と志望動機はしっかりと言語化をする必要があることです。
「コロナの影響で現職が不安だから、安定した企業に転職したいと思いました」
という理由では、企業は採用をしたいとは思わないでしょう。
コロナ禍の転職活動の面接においてより意識しないといけない点は、
- なぜ今転職しようと考えたのか
- これまでの経験から企業にどのように貢献できると考えているのか
- 自ら考えて主体的に行動をした経験はあったか
の3点にあるかと思います。
上記の2点は通常時の転職活動でも意識しないといけないことではありますが、なぜコロナのこの時期に転職をしようと考えているのかといった転職理由や、どの企業も変化が求められる状況の中で自分はどのように貢献することができるのかはしっかりと準備をする必要があります。
また3点目に関しては、リモートワークなど働き方の変化が起きており、今後もどんどん変化が起きていくことが予想されるため、コロナ禍での転職活動では企業は自分で考えて主体的に行動することができる人材を求めているのではないかと感じます。
企業として大変な状況の中で、教わる姿ではなく積極的に貢献しようという姿勢を持っている人の方が評価をされることは当然なので、
これまでの経験の中で自ら考えて主体的に組織のために行動をした経験を振り返って言語化をしておくことをおすすめします。
まとめ
今回は、コロナが転職市場に与えている影響と、コロナ禍の転職活動で意識すべきことについて紹介しました。
リモート転職では、転職の支援を行なっておりますので、一度、気軽にご相談ください。
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