2020.08.31転職

コロナがIT・WEB業界の転職にもたらす影響とは?企業と求職者の両視点から解説

 

こんにちは、上京を支援するリモート転職を運営する株式会社Carions代表の山下です。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、転職市場を取り巻く環境は大きく変化しています。

その中でも今回は、IT・WEB業界の転職市場の状況について、企業側と求職者側の視点で解説していきます。

IT業界への転職を検討している人はぜひ最後まで読んでみてください。

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コロナ禍における企業の動向

コロナ禍において、企業の募集状況はどうなっているのでしょうか。

まずは、企業の動向からチェックしていきましょう。

企業側の動向について
1:転職市場全体の変化について
2:コロナ禍で伸びている企業・業界
3:求められる人物像の変化
4:リモートワーク導入による変化

 

それぞれ、説明していきます。

転職市場全体の変化について

IT・WEB業界について見る前に、転職市場全体での企業の状況を俯瞰してみます。

新型コロナの転職市場全体への影響として、もっとも大きな影響は売り手市場から買い手市場に変化していることが挙げられます。

近年は雇用情勢が比較的安定していたこともあり、求人数・求職者数ともに高い水準で推移していましたが、

厚生労働省が発表している有効求人倍率を見ると、2020年5月時点で1.20倍となっており、昨年同時期は約1.60倍であったことと比較すると買い手市場への変化が見て取れます。

doda転職求人倍率レポート

上記の図を見ていただくと、転職希望者数の数は変化していない一方で、求人数が大きく減少し、有効求人倍率が大きく減少していることがわかりやすいかと思います。

「求職者数は変わらないが求人数は減少しているため、有効求人倍率が減少し、売り手市場から買い手市場に変化している」ということを理解することがコロナが転職市場に与えている影響を把握するための第一歩になります。

転職市場全体への影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
▶︎【いつおさまる?】コロナウイルスの転職市場への影響について

コロナ禍で伸びている企業・業界

それでは、コロナ禍でのIT・WEB企業の動向はどうなっているのでしょうか。

まず、テレワークの普及が追い風となって、IT系の通信キャリアやネットワーク系に強みをもつ企業や、テクノロジーベンダーと言われる業種は堅調に事業を伸ばしています。

また、ベンチャーキャピタルから資金調達を受けているようなスタートアップ企業では、採用計画を変更せずに積極的に採用を続ける企業が多いです。

他にも、働き方改革にあわせてセキュリティ関連の事業・サービスや、物流システムを扱う企業は好調であり、積極的に採用を行っています。

企業別に採用の動向を見てみると、大まかに

  1. 採用を縮小またはクローズしている企業
  2. 採用を続けているが要件を引き上げている企業
  3. この機会をチャンスと見なし採用を強化している企業

の3パターンに分けることができます。

業務請負・派遣といった業態では、一時的に景況や在宅勤務など働き方の変化を受けて採用を鈍化させるなど、上記1または2に該当する企業が多いように感じます。

一方で事業会社・自社系の企業については、IT部門をDX改革の中心と置いている企業であったり、自社サービスを開発運用しておりエンジニアが不可欠な会社は上記3に該当するように積極的に採用を行っている印象があります。

実際に「他の企業が採用を鈍化させているからこそ今がチャンスと考えている」と話している自社サービス系の企業からの声は耳にしたことがあります。

ただ、最近では業務請負・派遣系の企業でも通常通りの採用に回復している企業もあるなど、

全業界においてIT人材のニーズは増加傾向であるため、採用ニーズは元に戻ると思われ、影響は一時的なものになると考えられます。

【関連記事】
▶︎【企業一覧】コロナ禍でも積極採用している企業一覧

求められる人物像の変化

コロナ禍でのIT・WEBの転職市場動向として、企業側の求める人物像に変化が生じていることも挙げられます。

大きな変化として、経験者などの即戦力の採用枠が拡大しており未経験からの転職は難しくなっていると感じます。

特にデータサイエンティスト、ITコンサルタント、クラウドの知見のあるインフラエンジニア、セキュリティエンジニアなどは採用が拡大している印象があります。

採用の費用面の関係で中途採用よりも新卒採用に力を入れ始めている企業も出てきており、中途採用ではより経験者が求められている傾向にあることがわかります。

また、ITエンジニアに関しては、技術力だけでなく、コミュニケーション能力がより求められる傾向にあるように感じます。

リモートワークなどの働き方の変化により、自分から情報を取りにいけることや、オンライン上でのコミュニケーションの工夫ができることが円滑な業務を行う上でのポイントになることも多いので、そのような変化が生じているのだと感じます。

リモートワーク導入による変化

コロナによってもたらされた、働き方・採用活動への変化もコロナ禍での転職活動に大きな影響を与えています。

大きな変化としては、在宅勤務を実施している企業が増えたこと、またその影響から採用面接もオンラインで実施する企業が増えていることが挙げられます。

ヤフーやGMOペパボといったIT系の企業では、在宅勤務でデフォルトにするなどの方針がすでに固められておりますし、「転職ドラフト」というITエンジニアの採用イベントでは、在宅勤務が前提の採用が全体の4分の1以上を占めています。

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在宅勤務の広がりや採用活動のオンライン化に伴い、これまで採用の対象でなかった地域にまで採用の対象を拡大する企業も増えています。

例えば、在宅勤務であればどこにいても仕事をすることができるため、東京に本社がある企業が関西の優秀な人材を採用し、在宅で仕事をしてもらうといったケースも今後どんどん増えるのではないかと感じています。

コロナによる働き方や採用活動の変化により、企業としても求職者としても選択肢を広げることにもつながっているということも言えるのではないでしょうか。

【関連記事】
▶︎【リモートワークに向いている職種とは?】7つの職種と求められる条件について

コロナ禍における求職者側の動向

それでは、求職者側の動向はどのようになっているのでしょうか。

企業側の動向と比較しつつ確認していきましょう。

求職者の動向
1:求職者側の動きはむしろ活発化している
2:安定思考が強まっている

 

それぞれ、簡単に説明していきます。

求職者側の動きはむしろ活発になっている

企業側の動向とは対照的に、求職者側の動きは活発になっており、実は求職者数はコロナ前と変化しておらず、むしろ増加傾向にあります。

前述の転職求人倍率レポートを見ると、2020年6月の有効求人数は前年同月と比較して72.5%である一方、転職希望者数は前年同月比で102.6%となっており、前年に比べ増えていることが読み取れます。

求職者数が増加している理由として、緊急事態宣言によって休業や自宅待機を余儀なくされた方が、将来に不安を感じ転職を考え始めていたり、

在宅勤務で時間ができたことにより、自分の仕事を見直すきっかけとなっていることが転職を決断させているとしてあげることができます。

また、特に未経験からITエンジニアへの転職を試みる人は増加傾向にあります。

※paiza株式会社の運営する未経験者向け転職支援サービス「EN:TRY」の調査より

エンジニアの業務未経験(経験1年未満含む)のユーザーのうち、4割を超える人がエンジニアを目指して「活発に転職活動中」「機会があれば活動」と回答しており、エンジニアになるという強い意志がうかがえます。

「テレワークに対応できる」「社会情勢を見てITサービスの価値が上がると感じた」といった理由で志す人が多いようですが、前述の通り未経験からでも挑戦できる求人は減少傾向であり、求職者よりも求人数の方が圧倒的に少ない状態となっています。

安定思考が強まっている

また、コロナ禍でのIT・WEBの転職においては、求職者の安定思考が強まっていると感じます。

コロナで会社が倒産しているニュースなども耳に新しいですが、実際に転職のご支援をしている中で、将来を見据えた安定企業への転職や、自分のスキルを磨くことができる企業への転職を希望される方が増えているのではないかと感じます。

請負・派遣企業に勤めているが、コロナで案件が縮小し長らく待機が続いているといった理由から、現職のリモートワークなどへの対応に不信感を抱いたという理由まで、

転職理由も多様化し、結果として安定した基盤のある企業への転職を考えている方も多いように感じます。

まとめ

今回は、コロナ禍におけるIT・WEB業界での転職市場動向についてお話をしました。

普段、転職支援する中でもIT・WEB業界での転職を検討している人は非常に多いです。

コロナウイルスの影響で、IT・WEB業界でも少なからずコロナウイルスの影響は受けていますが、他の業界と比べて積極採用する企業が多いと感じています。

リモート転職では、IT・WEB業界への支援を行なっておりますので、一度、気軽にご相談ください。

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