【プロフィール】
小田切 健(27歳)
前職:製薬メーカー(MR職)
転職先:外資系人材会社
前勤務地:長野県松本市
東京の大学を卒業後、製薬メーカーにMRとして勤務。当時、付き合っていた彼女との別れをきっかけに上京転職を決意。MRとして働く自分自身の将来に不安を抱き、将来の選択肢の幅を広げることのできる人材業界へ転職を決める。
〈転職データ〉
転職期間:3~4ヶ月
東京に来た回数:3回
転職でかかった費用(交通・宿泊費等):約2万円
【ポイント】
●絶対に東京で働きたいという譲れない軸
●その人の人生に寄り添ったキャリアコンサルタントになりたい
●納得感を持った転職活動を。大事なことは自分起点で会社を選ぶ姿勢
Contents
プライベートでの転機をきっかけに東京で働くことを考えるように
大学卒業後は、大手製薬メーカーでMRの仕事をしていました。最初は、栃木県宇都宮市で、3年間勤務した後、長野県松本市へ転勤となりました。MRの仕事はやりがいがありましたし、同じ長野県で勤務する友人もたくさん増え、公私ともに充実していました。
しかし、プライベートな理由ではありますが、当時付き合っていた彼女との別れがきっかけとなり、自分自身の心境に大きな変化がありました。付き合っていた彼女には東京に住みたいという思いがありましたが、全国転勤である私はその希望を叶えることができませんでした。そんな理由が、上京転職を考えるきっかけになりました。
MRを40年間続けることへの不安を抱き始めていた
実はプライベートなきっかけの前に、上京転職を考えることはありました。MRとして働き始めて3年目に差し掛かる時に、この先40年間MRの仕事を続けることに対して漠然とした不安を感じ始めたのです。
競合他社である外資系製薬メーカーでは人員削減をする流れがありましたし、今後業界として人員削減がますます進むことが予想されます。そうなると、MRとしてプロフェッショナルを目指す覚悟がないと生き残っていけない可能性があるなと考えるようになりました。しかし、私はその覚悟を持てずにいたのです。
リモート転職を通して、自己分析を深めていった
プライベートでの変化とMRでの自分自身のキャリアに対する不安が重なり、本格的に上京転職を考えだしました。インターネットで様々な転職サイトを調べる中で、リモート転職を見つけました。
リモート転職は、自己分析を丁寧に行うことを強みにしていると記載されていたため、大手のエージェントではできないような密なやりとりを期待して申し込みました。実際にキャリアコンサルタントの方と話してみると、「転職をする目的」や「大事にしたい価値観」などをかなり深掘りされ、分析していきました。
また、コンサルタントの方に自分の思いや考えを発散し、整理してもらうことで、自分自身を客観視する機会になり、転職する目的が明確になっていきました。
自分一人では、なかなか転職活動の軸を言語化することが難しかったのですが、二人三脚で相談しながら考えた結果、
・勤務地が東京であるかどうか。
・収入がMRの時より大幅に下がらないかどうか。
・自分自身の選択肢の幅が広がるかどうか
という3つを大事にして、転職活動を行うことにしました。
将来性のある人材業界への転職を決意
転職活動の軸が固まった後は、リモート転職から信頼できる転職エージェントをご紹介していただきました。
その中で、人材業界のコンサルタントの仕事を紹介され、非常に興味を持ちました。人手不足が進む中で、人材業界も成長していくだろうと感じましたし、様々な業界と関われることは魅力的だなと感じました。また、経験を積んだ後、独立している方も多く、将来の自分自身の選択肢の幅が広がることも決め手となりました。
唯一、迷ったのは、医療機器の営業職でした。医療機器の営業は、MRの経験も生きますし、やりがいも大きく楽しそうだと考えていました。加えて、提示された年収も非常に良かったです。
しかし、全国転勤という条件がありました。全国転勤がなければもっと迷っていたと思います(笑)
人材業界のギャップを感じつつも、成長するための試練多い
実際に人材業界の企業で勤務してみて、厳しさも感じています。業界が成長しているので、簡単に結果がだせるだろうと考えていました。
しかし、想像以上に結果を出すことに苦戦しています。でも、自分が決めた道なので目標を持って日々努力しています。
私の目指す理想のキャリアコンサルタント像は、人生の相談役です。転職することを目的とするのではなく、あくまでもその人が何を実現させたいか、そのために転職が必要であれば自分が支援する。
自分の実績を度外視し、その人の人生のためには何が必要かを考えて、時には転職せずにその企業で頑張ったほうが良いと胸を張って言えるようなキャリアコンサルタントになりたいと考えています。
自分起点で会社を選んでいく姿勢を
これから上京転職を目指す人に伝えたいことは「なぜ、上京転職するのか」を自分自身が納得している状態を作ることが大切だということです。
「この会社、ちょっと良さそうだな」「なんとなく東京に行ってみたいな」ということが上京のきっかけであってもいいとは思います。
しかし、それを上京の目的にしないようにすべきです。自分自身の転職活動の軸と優先順位をしっかりと考えて、これだけは譲れないという軸を持つことをおすすめします。
私は、人材業界の企業に入社し転職希望者と接する機会が多くなりましたが、やはりキャリアの選択に目的がある人とそうでない人とでは市場価値に大きな差が生じることを感じています。
自己分析を十分に行い、本当に大切にしたいものは何かを考えることで自分起点の会社選びをしてみてはいかがでしょうか。