「第二新卒での転職を考えていますが、上手く行くかどうか不安です」
よく、そんな相談を受けます。
株式会社Carions代表取締役。リクルートスタッフィング出身の国家資格キャリアコンサルタント。毎年300名以上の転職・上京支援をしています。”友達を紹介したくなるキャリアコンサルタント”をテーマに、闇雲な求人紹介ではなく、ヒアリングを重視したキャリアコンサルティングが得意です。
こんにちは、20代の転職を支援するリモート転職を運営する株式会社Carions代表の山下です。
新卒で就職してから、3年以内で約3割の人が会社を辞めるというデータがあります。
実際、毎月WEBからの申込や過去の相談者からの紹介などで30人ほどの転職相談を受けていますが、第二新卒での転職を検討する人は4割程度います。
そのほとんどが「新卒での就職活動をもっときちんとしておけばよかった、、」と後悔しており、なんとか第二新卒の転職活動で失敗を取り返そうとしているように感じます。
しかし、第二新卒での転職活動を進める中で、新卒での就活の失敗を取り返し、後悔のない転職活動にする人と、新卒の時と同じ失敗をしてしまい、後悔してしまう人に分かれてしまっているなと感じます。
そこで今回は、第二新卒での転職活動で成功するパターンと失敗するパターンについて、それぞれご紹介します。
出来るだけ多くの人に、後悔のない転職活動をして欲しいので、取り繕わず本音で伝えたいと思います。
第二新卒での転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
第二新卒とは?
そもそも、”第二新卒”という言葉には定義がありません。
しかし、「新卒での就職から1年〜3年以内に退職し、転職活動をしている20代の若手層」を指すケースが多いです。
また、第二新卒の転職活動の特徴は、ポテンシャル採用であることです。
ポテンシャル採用とは、現時点でのスキルや経験ありきでの採用はなく、潜在的な能力に期待して人材採用をすることを刺します。
一般的な転職活動は、スキルや経験によって採用されるか否かが決まりますが、第二新卒では現時点でのスキルを問われることはほとんどありません。
だからこそ、意欲が重視され、面接で上手く伝えることができないと非常に苦戦することになります。
リモート転職では、第二新卒の方の転職支援をしておりますので、不安な方は一度ご相談頂ければと思います。
第二新卒での転職が有利な理由とは?
近年、第二新卒の需要は非常に高まっています。
リクナビネクストを見ても、第二新卒歓迎の求人は7500件以上あり、
多くの企業で第二新卒の応募を歓迎していることがわかります。
”第二新卒で転職活動をする人は、すぐに会社を辞めてしまう”とネガティブなイメージが持たれそうですが、
ここまで多くの会社が第二新卒を歓迎するのには、大きく2つの理由があります。
- ビジネスマナーが身についている
- 仕事や会社風土への適応力がある
それぞれ、解説していきます。
ビジネスマナーが身についている
1つ目は、ビジネスマナーが身についていることです。
新卒の学生を採用すると、ゼロから社会人としてのビジネスマナーを教える必要があります。
一方で、第二新卒の方は基本的なビジネスマナーが身についています。
そのため、企業としては研修などの教育コストが少なくて済むという明確なメリットがあります。
社会人経験が少しでもあれば、研修を受けているケースが多く、話し方や振る舞いに新卒の学生と差が出ます。
だからこそ、第二新卒で採用したいという企業は多く存在しています。
仕事や会社風土への適応力がある
2つ目は、仕事や会社の風土への適応力です。
「ビジネスマナーが身についた人を採用したいなら、30代以降の人を採用すればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、第二新卒は柔軟性があるということも企業にとって、大きなメリットとなります。
30代を超えてくると、長くいた会社の仕事の進め方が身に染み付いてしまいます。
どうしても、前の会社を基準に物事を考えてしまうため、新しい環境に馴染むことができない場合もあります。
一方、20代は仕事を覚える早さだけでなく、会社の風土に柔軟に染まることができるという点で期待できます。
そのため、企業にとっては、たとえ業界や業種が未経験の方でもポテンシャルさえあれば採用したいと思うのです。
第二新卒での転職で失敗するパターン
ここまで、第二新卒の転職活動が有利だという説明をしました。
しかし、全員が第二新卒の転職活動で成功するわけではありません。
転職活動が上手くいかず長引いてしまったり、転職で入った会社をすぐに辞めてしまうなど、失敗をする方もいます。
実際に転職する方を見ている中で、失敗する方のパターンをいくつかご紹介します。
- ネガティブな転職理由を伝えてしまう
- 転職活動の軸がない
- 見切り発車で辞めてしまった
- 素直さがない
それぞれ、簡単に説明していきます。
ネガティブな転職理由を伝えてしまう
1つ目は、ネガティブな転職理由を面接で伝えてしまうパターンです。
正直、第二新卒の方の退職理由がポジティブである場合は少なく、ほとんどがネガティブな理由かと思います。
しかし、そのネガティブな理由をそのまま面接で伝えてしまうとまず上手くいきません。
- 「上司がひどい人だった」
- 「残業があまりにも多すぎた」
- 「自分がやりたい仕事ではなかった」
などと愚痴や不満を面接で伝えると、企業からすると「うちに来てもネガティブな愚痴を言って、辞めてしまいそうだな」と懸念されて、お見送りになります。
もちろん、前職の会社が劣悪な環境であったりする場合もあると思います。
しかし、面接の場でネガティブな理由ばかり伝えると確実に失敗します。
転職活動の軸がない
2つ目は、転職活動の軸がないパターンです。
「とにかく今の会社をやめたい」という思いが先行して、現状から逃げることだけを考えてしまうとこのパターンになりやすいです。
「今より少しでもましな会社にいきたい」という考え方になってしまうと、条件面ばかりで企業を選んでしまうことになります。
採用する企業からすると、何を実現したいのかが全く見えませんし、活躍するイメージが湧きづらいです。
だからこそ、自分が転職によって実現したいことを明らかにし、仕事を通じた自分の人生を豊かにする目的のために転職活動を進めることが重要です。
見切り発車で退社してしまう
3つ目は、見切り発車で退社してしまうパターンです。
「今の会社はもう嫌だかから、とりあえず辞めてしまおう」と考える人も多いかもしれません。
しかし、転職前に退社をしてしまうと、失敗に繋がってしまう原因になります。
もちろん、あまりにも過酷な状況や上司からのパワハラなどを受けていたり、精神的にしんどい場合は休息を取る必要があります。
しかし、次の考えが何もない中で見切り発車で退職してしまうと転職活動が長引きやすいです。
転職活動が長引いてしまうと、資金不足になり、焦って妥協した条件で転職を決めてしまうこともあります。
特に第二新卒での転職の場合だと、長期的な転職活動に耐えうる十分な貯金ができていることが少なく、焦りに繋がりやすいです。
素直さがない
4つ目は、素直さがないパターンです。
”自分の失敗を認められない、人のせいにする、頑固”などの要素が面接から伝わるとお見送りになる可能性が高いです。
第二新卒は、ポテンシャル採用だからこそ素直さが求められます。
優秀な人にありがちですが、知識をひけらかしたり、何かを分かっているかのようなコミュニケーションを取ってしまうと、
「この人はアドバイスに耳を傾けなさそうだな」「生意気そうだな」と捉えられてしまい、ことごとくお見送りになります。
第二新卒での転職で成功するパターン
第二新卒の転職で失敗してしまう方がいる一方で、自分自身が納得のいく形で転職活動を終わらせて、「転職してよかった」と成功させる方もいます。
実際に成功するパターンとしては、
- 素直に失敗を認められている
- 将来のビジョンが明確になっている
- ネガティブな退職理由をポジティブに変換できている
- 働きながら転職活動をしている
という要素が挙げられます。それぞれ説明していきます。
素直に失敗を認めている
1つ目は、素直に失敗を認めているパターンです。
私は、新卒の就職活動で入った会社が自分の想像と違うことは、ある程度仕方ないことだと思っています。
そもそも、実際に働いてみないとわからない部分も多いですし、働いて初めて自分の興味や考え方に気づかされることもあるので、入社前と入社後でギャップを感じることもあるでしょう。
しかし、そんな時に”自分自身の何が足りなかったのか、何が甘かったのか”という点を真摯に振り返り反省できているかどうかが大きな差になります。
素直に失敗を認めて、その失敗経験を次にどう活かそうとしているかを第二新卒を採用する企業は非常によく見ています。
将来のビジョンが明確になっている
2つ目は、将来のビジョンが明確になっているというパターンです。
1社目の経験を踏まえて、”これからどうしたいのか”が語れる方は転職活動がスムーズに進む場合が多いです。
きちんと考えている方は、”これからどうしたいのか”という将来から逆算して、”今、働く上で大事にしたいこと”の優先順位をつけています。
そうすると、受ける企業にも迷いがなくなり、闇雲に選考を受ける必要がなくなります。
大事にしたいことが見えると、志望動機も取り繕ったものではなく、自然に話すことができます。
1社目の経験から、自己を振り返り、「転職で何を実現するのか」を明らかにすることが非常に重要です。
ネガティブな転職理由をポジティブに転換できている
3つ目は、ネガティブな転職理由をポジティブに転換できているパターンです。
第二新卒の転職面接では、100%と言っていいほど前職をやめた理由を聞かれます。
その際に、転職理由をどれだけポジティブに変換できるかが最重要です。
もちろん、ネガティブな側面もあると思います。
しかし、そんなネガティブな側面も踏まえて、次どうしていきたいのかポジティブに変換していく必要があります。
一番やってはいけないことが、前の会社や仕事に対する愚痴や不満を話すことです。
転職理由については、決して一人で考えるのではなく客観的なアドバイスをもらいながら練ることがおすすめです。
働きながら転職活動をする
4つ目は、働きながら転職活動をするということです。
失敗するパターンでもお伝えした通り、働きながらの転職活動はメリットが大きいです。
確かに現職中だと、転職活動に費やすことのできる時間が限られてしまいます。
しかし、退職してからの転職活動より、金銭的な不安も少なく、精神衛生上もいいです。
金銭面での不安から妥協した選択をしてしまうことを防ぐためにも、転職先を決めてから仕事をやめることをおすすめします。
第二新卒での転職は転職エージェントへの登録がおすすめ
第二新卒での転職を検討している場合は、現職中から早めに転職エージェントに相談しておくことをおすすめします。
辞めたいという気持ちが強くなって、ストレスが大きくなった時には誰に相談していいかわからなくなり、動けなくなる場合があるからです。
現職中から、どんな求人の紹介をもらえる可能性があるのかを認識しておくだけでも、自分自身の可能性が広がります。
転職エージェントの活用は無料なので、今すぐに考えている方でなくても相談しておいて求人などに目を通す使い方をおすすめします。
転職エージェントを利用するメリット
転職エージェントを利用すると、
- 書類の添削を行ってくれるため通過率が高まる
- 自分にマッチした求人紹介を受けられる
- 転職理由を一緒に考えてくれる
- 面接対策も行ってくれる
- スケジュール調整などの煩雑な手続きも代行してくれる
など、様々なメリットがあります。
転職活動の負担を減らし、自分の希望にあった企業を選択していくためにも、専門家の目線に頼ってみることをおすすめします。
まとめ
今回は、第二新卒での転職の成功するパターンと失敗するパターンについてご紹介しました。
第二新卒での転職は、これからもますます増えていくと予想しています。
しかし、第二新卒の転職で失敗してしまうと、何度も何度もネガティブな転職を繰り返すジョブホッパーになってしまう可能性が高いです。
だからこそ、「この転職によって何を実現したいのか?」という問いに向き合うことが非常に重要です。
焦って転職活動をするのではなく、早めに頼れる人を見つけて第二新卒の転職活動を成功に繋げる方が一人でも増えたらと思っています。
ちなみに、リモート転職では、第二新卒の方の転職支援も行なっています。ぜひ気軽にお申し込みください。